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くすり百話  (第11回)  H 12.6.1
第18話薬  局  と は 
第19話薬局方のはじまり
第18話   
薬局とは   

   薬局とは、薬事法で                       
  「薬剤師が薬の販売または授与の目的で調剤を行う場所」    
 と定義されている。                             
 平たく言えば、薬を調え合わす部屋、部所、即ち、薬の調合所、  
 調剤所(室)である。                            

  「局」とは細かく分かれた区切りの意味で、役所などでは、仕事 
 によって細かい部課に分かれているので、水道局などという。   

  「薬局」という用語は、日本では明治22年に制定された「薬品営 
 業並薬品取締規則」
により制度化され、従来の「薬舗」が「薬局」
 改名された。                                

  したがって、薬局の形態はあっと思われるが、正式には薬局は 
 このときが始まりということになる。                   

  なお、現在では、調剤を行う店では、調剤所(室)と薬の販売部所
 を含めて、薬局といっている。                      

 世界で最も古い薬局は、ドイツ、ヴェツラルの薬局(1233年)とされる。

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第十三改正
日本薬局方

厚 生 省
第19話 
薬局方のはじまり
 ◆日本語の「局方」という名称は、
   江戸時代、蘭方医中川淳庵が オランダのライデン薬局方
を訳した「和蘭(オランダ)局方」において、淳庵が
Pharmacopoea を「局方」と訳
したのが、
今日の薬局方の意味では最初
の使用といわれる。

 「局方」という語そのものは、平安時代に渡来した宋代の中国の
国定処方集「太平恵民和剤局方」が起源となっている。        

 日本薬局方制定の背景は明治初期、輸入洋薬の粗悪品や偽物
を取り締まる機関の設置とと医薬品の品質規定書制定が望まれた。

そこで、政府は2名のドイツ人に日本薬局方草案の制定を依頼した。
その後、1880(M13)年日本薬局方編纂委員会が設置され、1885年
に日本文、ドイツ文、ラテン文の三巻が編纂された。         
 このような経過をたどって「日本薬局方」初版は1986(M19)年公布
翌年施行された。    

収載品目は有機薬品59、無機薬品80、生薬89、製剤177など計468。
最新の13版には1492品目が掲載されている。
今日の薬局方の性格は、規格書であると同時に医薬品製造、使用に
関する指導的でもある。

【世界の薬局方の起こり】        

 薬局方の歴史はヨーロッパから始りは、ローマ皇帝フリードリッヒ二
世は当時医師が調剤を独占し、一方、薬の知識の疑わしい業者が製
造し、利益のみを追求していたことから、1240年、医師の売薬を禁じる
法律を制定した。
                                 

 これにより、薬剤師が調剤を行うことを義務づけた。          
この制度が普及するに従い、医薬品の品質保証する公定処方書の 
必要性が必然的に発生し、1498年イタリアの薬剤師協会制定の私的
処方書をはあじめとして、ドイツのニュウルンベルグ市の公定の薬局方
ロンドン薬局方、オランダ・ライデン薬局方、1772 年最初の国定の  
デンマーク薬局方など相次いで発行された。                

 国が定めた薬局方では、日本薬局方は21番目の制定となる。


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