くすり百話 (第9回)H 12.4.13 第15話 くす玉 第16話 薬祖神 |
第15話 くす玉(薬玉) |
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〔薬玉〕麝香、沈香、丁子などの香料を入れた錦の袋三つの玉にし |
第16話 薬祖神 日本:少彦名神(命) 中国: 神 農 |
薬祖神:神農 |
〔日本薬祖神〕 わが国では、少彦名命(すくなひこなのみこと)が人間に医薬と 農業を教えたとされる。日本書記(720年)によれば、少彦名命は呪 いが上手で医薬の道に秀で、酒の醸造法を改良したともいわれ、 酒を医薬として使ったとされる。 また、大己貴神((おおなむちのかみ)、大国主命(おおくにぬしのみこと) ともいう)と並称されるが、この場合は農耕や労働は大己貴神の行動と して語られる。 古事記、日本書記には、この両神は兄弟の契りを結び、協力して国 土を納めることに尽力し、医薬の道を大成されたと記載されている。 大阪の薬の問屋街として知られる道修町には薬神として少彦名神を 祀った少彦名神社がある。 一方、東京の薬の町本町では少彦名神と大己貴神の二神を祀る。 大己貴命(大国主命)は、古事記(712年)に鮫に皮を剥がれて傷つ いた因幡の白兎の皮膚傷を治すことが記されており、 医薬に関係の深い神である。 〔中国の医薬神〕 神農(しんのう)は中国古代の伝説上の帝王で、火徳を有するので、 炎帝ともよばれる。 民に農業、養蚕を教え、さまざまな草を試食して医薬を教えたとされ る。体は人間であるが、頭に角があり、薬草を口にした人身牛首で、 医薬の神 とされる。 日本では漢方医は冬至の日に神農をまつり、親戚、知人を饗応する 習わしがあった。漢方全盛の江戸時代には日本の医薬神・少彦名神 と中国の医薬神・神農が結びつき、 その神社や祭りを「神農さん」と呼ぶようになった。 |