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くすり百話  (第10回) H 12.5.13
第17話
「印籠」と「薬籠」 
印籠 (いんろう)
もともと印鑑と印肉を入れ、違棚(ちがいだな)の置物とし
て使われていたもので、室町時代に中国から渡来した。


この「印籠」が後年、携帯用に小型化されると、印鑑より、薬を入れ
るものとして特に、
「旅行時の携帯用の薬入れ」として重宝がられた。

江戸中期になると、装飾品として武士が盛んに腰に下げた。
また、 遊女も同様腰間に下げ、装飾のひとつとした。     

「印籠」には、筒型、扁平型など種々な形がある。また、蒔絵など
漆技をつくした見事なものがあり、
美術工芸品としても貴重なもの
が残されている。 外国人も美術品として興味を持ち、主に京都で
作 らせ持ち帰ったといわれる。
                     

飛騨高山ほかに印籠美術館があるので、立ち寄られては如何。
じつに素晴らしいものが多数あるのには驚かされる。       


「薬籠 (やくろう)
一方、「薬籠」は最初から薬を入れる物として作られたもので、
時代劇でお馴染みの物。かって、医師が使った
薬箱のこと。
   


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