薬草百選リスト
65.アマチャヅル
66.イ タ  ド リ
67.クワ(ヤマグワ)
68.ユ      リ
69.ヤ マ  モ モ

薬 草 百 選(初夏2篇)
(65)
アマチャヅル(ウリ科)
一大ブーム起こした薬草 
注意すると意外に多い薬草



昭和40年代のクコに次ぐ、平成初年前後に一大ブーム
起こした薬草。

アマチャズルは、東アジアの山地の樹下に広く分布し、
本県でも山地で比較的よく見られる。

ブームの元は、昭和50年代にアマチャズルの成分研究が行われ、
高価な
「薬用人参(朝鮮人参)」に含まれている成分
アマチャズルにも含まれていることが判明したので、
薬用人参の代わりに
栽培が容易で、安価な
アマチャズルを飲めばよいとブームになったもの。
しかし、同じ成分はわずか一部であり、含有量も低く、
薬用人参と同等の効果は疑問視されている。


薬用には、葉を夏に採取して天日乾燥して、利尿、咳止め、
強壮に用いる


アマチャズルの名は、甘いことによるが、佐賀県の野生品は苦いの
が多く、甘いのは希れ。



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(66)
イタドリ(タ デ 科)
子供にはスカンポの名で知られる


芽立ちは、タケノコ状に伸びていき紅紫色の斑点が印象に残る
薬用植物。かっての子供たちは、このタケノコ状の芽立ちを折って皮を
剥ぎ「スカンポ食い」と言って食べたもの。酸っぱい味をなつかし
がる人も多いであろう。


また、火山などの不毛の地で、真っ先に生えてくる生育の強い薬草
の一つである。この生育の旺盛さは外国で帰化植物として繁殖しつつ
あることでも伺い知ることができる。

名前は「痛取」に由来するといわれ、長野県などでは
若芽の汁をすり傷につけて、止血や痛みをとる。



薬用には、
根を秋から冬に採集して、穏やかな下剤、利尿剤、
月経不順に用いる。
中国では、茎で作った杖をつくと中風予防になると
言い伝えられている。


佐賀の方言:シーカイカイ、シーカンポ、スカンポ、カワタケ



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(67)
ユ リ(ユリ科)
球根は料理で名高い


(左オニユリ.右テッポウユリ)

ユリの名は、ユリの花が大きい割に茎が細く、花が
ゆり動くことにより、漢字の百合は地下の沢山の鱗片葉が合わさり
球根を作っていることに由来する。

薬用は球根(正確には鱗茎)を熱湯をかけた後、天日乾燥して、
滋養強壮、咳止め、鎮静に用いる。
漢方では、辛夷清肺湯などに
配合される。


ユリには、県内に自生のコオニユリ、栽培または栽培品が野生化して
いるオニユリ、テッポウユリ、ヤマユリなどがあるが、同様に使われる。



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(68)
クワ(ヤマグワ)(クワ科)
実は子供の好物 
殖産産業に大貢献



子供が口の中を真っ赤にして木の実を食べているのは、クワの実。
完熟した実は、美味しいので、よく食べられる。葉は蚕の飼料とし
て盛んに栽培された。
江戸時代にはクワとチャ、ウルシ、コウゾの四種の木は産業に役立
つ「四木」と称され、栽培が奨励された。


クワの名は、「食葉(クバ)」「蚕葉(コバ)」の意味で、
いずれも食う葉から名付けられている。

薬用は根皮を春に採取、乾燥して利尿、咳止め、炎症に用いる。
民間では、根皮を咳止め、葉をクワ茶と称して、
高血圧予防に飲む。



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(69)
ヤマモモ(ヤマモモ科)
果実は生食、果実酒


梅雨期の山の果物として知られる。最近では、公園等の
植栽に使われることが多くなっている。

暖地性の樹木で、関東以南の日本、台湾、中国に分布する。
高知県の県花と徳島県の県木として知られている。

樹皮は古くから染料として使われたが、塩水に強い特徴から
特に、漁網染めに用いられた。


薬用には、樹皮を夏に剥ぎ、天日乾燥、粉末にして、卵白でねり
打撲、捻挫の患部に貼る。また、樹皮末は下痢止めに服用する。




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