薬草百選一覧 | |
14.アマチャ 15.アマドコロ 16.イチヤクソウ 17.ウツボグサ 18.クスノキ |
19.スイカズラ 20.ドクダミ 21.ネムノキ 22.マタタビ |
薬 草 百 選3(初夏篇) |
M アマチャ(ユキノシタ科) 4月8日の花祭りにつきもの |
日本特産で、山に分布するヤマイジサイの甘味がある変種。 普通、栽培され、全体、アジサイより小形で葉も小さく、質が薄い。 4月8日の花祭りに甘茶を釈迦像に注いで供養するのは、 釈迦誕生の瞬間に天から9頭の竜が清らかな水をもたらし、産湯に用いた伝説に基づく。 甘茶の甘味は、生葉に含まれるグルコフィロズルチンが加水分解してフィロズルチン になり、砂糖の1000倍も甘味がでるものである。 非糖性の甘味剤として糖尿病患者に矯味剤として用いられる。 また、口 中清涼剤、歯磨き、醤油、タバコの甘味剤としてもちいられれる。 |
N アマドコロ(ユリ科) 佐賀県ではスズラン,チョウチンバナと呼ぶ |
日本、中国、朝鮮半島に分布し、県内でも山地にやや普通に見られる。 たくさん垂下した花の愛らしさがうけ、花壇に栽培される。 アマドコロの名は、根に甘味があって、形がヤマノイモ類のトコロに似 ることによる。 薬用には、根を煎じて、強壮に使う。 ナルコユリに似ているが、茎上部はアマドコロは角張り、 ナルコユリは丸いことで区別される。 |
O イチヤクソウ(イチヤクソウ科) 名はこの一薬草で諸病に効く |
日本、中国、朝鮮半島に分布。日本では林下に生え、花は6月。 可憐な花に人気がある。 名前には、「一薬草」の字が当てられ、この植物一つで、 諸病に効くと する説がある。 薬用には、全草を8〜9月に採取し、炎症治療や止血に用いられる。 |
P ウツボグサ(シソ科) 夏には枯れるので、生薬名を夏枯草(カゴソウ)という |
農家の軒下に干される薬草の一つとして ドクダミ、ゲンノショウコ、セ ンブリと共に知られている。 東アジアに分布し、山村部の日当たりのよい路傍などに生える。 ウツボグサの名は花穂の形が弓矢を入れる靱(ウツボ)に似ているこ とに由来する。 また、茎がウツロ(中空)なことからウツログサが訛っ たという説もある。 【薬用】花穂を夏に採取、乾燥したものを「夏枯草(カゴソウ)」と いい、 煎じて尿の出をよくする利尿薬として飲まれる。 江戸時代には淋 病に用いたと記されているが、これは今日の膀胱炎のこと であろうと言われる。 佐賀の方言:ウチデノコズチ、ヨコツツバナ、ヨコツツグサ、ウツボ |
Q クスノキ(クスノキ科) 日本一の巨木は薬用木クスノキ 佐賀の地名はクスノキから。県木もクスノキ |
<川古の大楠> 肥前風土記(713年)に、佐賀郡の村に、昔、幹が高く、枝葉が繁った樟木があり、 朝日の影は杵島郡の山をおおい、 夕日の影は鳥栖市の山をお おった。 日本武尊は樟木の繁る様を見て、栄国というべしと。 よって、栄郡といったが、のちに佐嘉郡に、さらに佐賀郡に変わった。 クスノキ日本の暖地から台湾、中国、ベトナムに分布。 全国の巨木ベスト10に第 2位武雄市川古の大樟、第6位武雄市塚崎の大樟 の2本が入っている。 クスノキの名はクスリまたはクサシ(臭い)に由来するだろうといわれる。 漢字で書く場合は、「樟」が正しい。「楠」は別種の樹木。 【薬用】には、材を使用。カンフル(樟脳)原料。カンフルは局所刺激作用があり、 神経痛、打撲症、凍傷に外用する。薫香、防虫剤に用いられる。 カ ンフルは強心剤に用いられた。 県内に、鳥栖、東脊振、大町等にクスノキの林が見られる。 これはかって樟脳をとるため植林されたものの残存。樟脳は化学合成に代わっている。 昭和元年には県内で100トンの樟脳が生産された。 |
R スイカズラ(スイカズラ科) 花は子供好みの甘い蜜源 |
日本の山野に普通に見られるつる性植物。 スイカズラの名は花筒の元から吸うと甘いので、子供がよく花蜜を吸うこ とによる。 【薬用】には、乾燥したつぼみを金銀花(キンギンカ)は鎮痛、解熱。 乾燥し た葉、茎を忍冬(ニンドウ)は腫れ物に煎じて服用する。 漢方の荊防敗毒散などにも配合する。 金銀花は花の咲き始めの白花と過花の黄色が混じることによる。 忍冬は葉 の一部が冬も枯れないことによる。 金銀花を酒に漬けた金銀花酒は強壮に飲用される。 |
Sドクダミ(ドクダミ科) 三大薬草の一つ。 100を超える方言名がある。 |
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日本、中国、ヒマラヤ、ジャワの湿り気のある所に生える。 ドクダミの名は@毒を矯(タ)める。即ち、毒を抑える。A毒溜めが訛った。 B毒痛みで、毒にも痛みにも効くの3説がある。 【薬用】は初夏の花期に採取して乾燥したものを「十薬(ジュウヤク)」といい、 利 尿、腫れ物、緩下剤、毛細血管強化、にきび等皮膚殺菌。 十薬の名は、馬に使うと十種の効能があることによるといわれる。 ◇奈良、平安時代以前には野菜の一つ。 |
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5.クサイバ(岐阜) 5.ヘクソカズラ(佐賀,大分,熊本) 5.ヘヒリグサ(大分) 5.ヘコギグサ(岡山) 5.バアノへ(山口) 5.ヨメノヘ(島根、山口) 〔利用から〕… 痔に使用?。生葉は殺菌力が強い。 6.オショウサンノシリフキ(大分) 6.キッチョムサンノシリフキ(大分) 6.サンノシリフキ(山口) 6.ジョロノシリフキ(山口) 〔薬効から〕 7.スイダシ(島根) … 吸い出しに効果 7.ノドハレ(山口) … のど腫れに効果 7.ドクダネ(30県以上) … 毒消しに効果 〔効果あれば〕 8.リビョ−グサ(山口) … 使うと病気が治る草 8.イシャイラズ(大分) … この薬草があれば医者いらぬ 〔邪気払いから〕 9.トベラ、トヘラ(佐賀、宮崎、鹿児島)…扉にはさみ病邪の侵入防ぐ 9.トベラグサ(佐賀、宮崎、鹿児島 |
(21) ネムノキ(マメ科) 夜になると葉を閉じて眠るので佐賀ではネブイノキという |
日当たりのよい荒れ地や林縁に多い。 この仲間は熱帯系で、ネムノキが最も北まで分布し、東北地方が分布北限。 名前は葉が互いに重なり合って眠ることに由来する。 【薬用】樹皮を利尿、強壮、鎮痛に用いる。 佐賀の方言:コーカノキ、ネブイノキ、ネレネレノキ、ネンネコノキ |
(22)マタタビ(マタタビ科) ・猫にマタタビで知られる 見所:城原川、飯町〜脊振・広滝渓谷 |
名前は@アイヌ語のマタタンブに由来説と A旅人が実を食べ元気回復して、また、 旅をするという説がある 日本、アジア、ヨーロッパ山地の日当たりのよい谷間に生えるつる性植物。 初夏から葉の上半が白色になり、目立つ。 果実は塩水に漬け酒の肴にする。 ネコ科動物の好物といわれのは、葉、茎、果実に含まれる イリドミルメシンほかの精油成分で 興奮し身を擦りつけたり、涎を流したりすることによる。 【薬用】はマタタビタマバエが寄生して表面がでこぼこした 果実(木天蓼モクテンリョ ウ)を鎮痛、強壮薬に使う。 |