薬草百選リスト
87.セ  リ
88.タンポポ
89.カラシナ
90.ボ  ケ

薬 草 百 選(早春3篇)
(87)
セ  リ (セ リ 科)
セリ科の代表植物。春の七草の一つ
  この仲間の科名「セリ科」
 が示す様にセリ科を代表
 る植物。また、香りがよく、
 7日正月の行事の一つ
 七草粥(ななくさがゆ)に用
 いられ、七草の代表的な
 存在としても知られる。

 セリの名は、  新苗が
 たくさん出る様子を互いに
 せり合って生えているよう
 に見えることに由来する
 と言われる。

日本など東〜東南アジアの水辺に広く分布し、ゆでてひたし物、
あえ物、なべ物など山菜としても知られている。
成分には、香りのよい精油、ビタミンB1、C、クエルセチンなどを含む。

薬用は乾燥品を食欲増進、去痰、利尿に服用する。
また、民間では風呂に入れると神経痛、リュウマチによいという。

七草粥は中国の風習にならったもので、人日1月7日
1年の無病息災を願って食べる。

人日:中国では元旦から一週間を人間の生活に不可欠な動物の日
と定めて供養を行った。
鶏(1日),狗(2日),羊(3日),猪(4日),牛(5日),馬(6日),人(7日)

七草:セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベ、ホトケノザ(コ
オニタビラコ)、スズナ、スズシロ
 


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(88)
タンポポ(キク科)
春の使者 在来と外来が縄張り争い
シロバナタンポポ セイヨウタンポポ
  花の総
  ほうは
  たれない
花の総
ほうが
下へた
れる

タンポポの開花は春の使者として迎えられている。
今日でも、サラダ、タンポポコーヒーなどに使われるが、平安時代
には、タナ(田菜)、フジナ(不知菜)と呼び、野菜にされた。
また、さらに古く、エジプトでは紀元前からサラダに使われた。

薬用には、タンポポ類の根を健胃、利尿、催乳に煎じて服用する。

タンポポコーヒーは根を細かく切って火でこがしたものを
コーヒー代用にする。

佐賀県のタンポポ:次の4種類が見られる。
@シロバナタンポポ   : 花は白色(総苞外片は反曲しない)
Aセイヨウ タンポポ   : 花は黄色(総苞外片は反曲たれる)
Bア カ ミ タ ン ポ ポ  : 花は黄色(総苞外片は反曲たれる)
Cカンサイタンポポ:花は黄色(総苞外片は反曲しない)。県内
分布はまれ。


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(89)
カラシナ(アブラナ科)
強い苦味で知られる
  中央アジア原産。古く中国
 から日本に渡来した栽培植物。
 普通は発芽した翌年まで生育
 する2年草。

  名前は種子、葉に辛味が
 あるところから「辛し菜」、
 「菜辛し」ということに由来
 する。

アブラナ(ナズナ)などの近縁葉菜類と似ているが、茎につく葉が
茎を抱かない特徴があるので、容易に区別できる。

薬用には、種子を粉末にして、水で練り、神経痛、リウマチの
痛み軽減に貼る。

カラシナはクロガラシとアブラナの雑種とされ、中国では2000年前から
栽培され、日本には弥生時代に渡来したとされる。
種実用のカラシナに対して茎葉用を使うものをタカナ(オオバカラシナ)
といい、つぼみを漬け物や煮物に用いる、
寿司屋で辛味料にカラシを使わずにワザビを使うのは、カラシの辛味は
長く残り嫌われるためである。


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(90)
ボ ケ ( バ ラ 科)
春の庭を飾る薬用花木の一つ


中国原産。日本には古くから庭木として植栽されている。

名前の由来には諸説がある。@古くはモケと呼ばれた読みの変化。
A中国名「木瓜」の音読み(ボクカ)ほかの説がある。

薬用には、果実を初夏に採取して、疲労回復、不眠症、冷え性
などに煎じて服用する。



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