薬草百選一覧
 1.サンシュユ
 2.ウメ
 3.コブシ
 4.タムシバ
 5.オキナグサ
 6.ハハコグサ

佐賀の薬草百選1(早春篇)
@
   黄花が早春の庭を飾る
  サンシュユ  ミズキ科
  (実:山茱萸サンシュユ)滋養強壮
 

中国,朝鮮半島が原産
。日本には約270年年前に渡来。庭園で栽培される
花木として有名。早春,葉出前に咲く黄色花が人気。ハルコガネバナの別名
がある。                              
【名前】中国名山茱萸の音読みに由来する
           
【特徴】@葉表面は光沢あり。A葉脈は弓なり,平行状。B葉裏葉脈の分
 岐点に三角状に毛が密生する。
【薬用】果肉を秋に採取。滋養強壮,収れに用いる。成分はロガニン,ス
 ウェロシド,モロニサイド,タンニンなど。
漢方では八味地黄丸,六味丸な どに配合。


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A 
  青梅での中毒は梅に不都合の警告
  ウ メ  バラ科
 (果実:烏梅ウバイ)製薬・漢方原料,民間薬
 
 ウメ
 
中国原産。奈良時代以前に薬用として渡来。万葉時代
 から鑑賞にもされている。 
【名前】
烏梅の中国読み「ウメイ」に由来。また「ウ」はうむ,「メ」は
実で,ウムミ(熟実)から転訛したとする説もある。
 【特徴】@茎に刺が有る。A葉先は尾状に伸びる。      
 【薬用】未熟果を薫製し,解熱,鎮咳,去痰に用いる。成分はクエン酸,コハク酸,
リンゴ酸,酒石酸,オレアノール酸など。漢方で,杏蘇散,椒梅湯に配合。
 【注意】未熟果にはシアン化合物を含み,中毒の原因になるが,熟して種子
 が硬くなり発芽能力があるようになると毒性はなくなる。


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B
 花の多少で, 豊凶作を占う
  コ ブ シ   モクレン科
 (蕾:辛夷シンイ) 製薬・漢方原料

コブシ

 日本,朝鮮半島南部に分布。佐賀県では,脊振山地に多い。
早春,葉出前に枝は白花で埋め尽くされて美しく,庭園の植栽も多い。
  【名前】花のつぼみを、手をにぎったこぶし(拳)に見立てたもの。    . 
 関東地方の一部で,花が多く付けば豊年とし,豊凶のいかんを占う。
 【特徴】@葉は中央より先は幅広い。A小枝は無毛。B花基部に葉が一枚付く
 【薬用】蕾を芳香,消炎に用いる。成分はシトラール,オイゲノール,
 ピネンなど。漢方では葛根湯加川弓辛夷,弓夷辛清肺湯などに配合。


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C
 外国では花木として知られる
  タムシバ   モクレン科
 (蕾:辛夷シンイ) 漢方原料

タムシバ

 日本原産。本州,四国,九州の主として日本海側に分布。
 佐賀県では脊振山地に多い。原産地の日本よりも,外国
 で庭園の花木に多く用いられる。コブシ,モクレンと共
  に早春の花として知られる。

 【名前】噛む柴のなまりで,葉を噛むと甘いことに由来する。     .
 【特徴】@葉をかむと甘味,佳香がある。A葉幅は中央より下部が広い。
 【薬用】蕾を乾燥して鎮痛,鎮静薬として鼻炎,蓄膿症などに用いる。 
 成分はサフロ−ル,メチルオイゲ成分はサフロ−ル,メチルオイゲノ−ル,
 α-ピネンなど。


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D
 果実の長白毛が生薬名白頭翁
  オキナグサ  キンポウゲ科
 (根:白頭翁白頭翁) 製薬・漢方原料

オキナグサ 

 日本,中国,朝鮮半島原産。草原に生えるが,減少
傾向の著しい要保護植物のひとつ。

 【名前】「翁草」で,花後に伸びる白い種毛を老人の白髭に例えたもの。
 【特徴】@葉は羽状に裂け,毛が多い。A花は赤橙色で多毛。B種子には
 長白毛がある。C真正の花弁はなく,花弁のように見えるのはがく。
 【薬用】根を秋採取。収れん,止血,解熱に用いる。成分はサポニン,ス
 チグマステロール,β-シトステロールなど


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E
  秋の七草の一つ
 ハハコグサ  キク科

 鼠麹草ソキクソウ 民間薬

ハハコグサ

 日本、インドシナなどアジア東部原産。路傍に普
 通に見られる.冬季から春に開花する。
 春の七草にいう「オギョウ」はこの草.昔は,こ
 れで草餅をついたと言う.しかし色が薄く,現在
 では草餅はヨモギに代表されるようになった.
 【名前】茎や葉に白毛が密生し,加えて花の冠毛が
「ほおけ立つ」ことからホオコグサ→ハハコグサとなった.

 【特徴】@葉は細長く、縁は波状。A葉に白毛が多い。B花は黄色。
 【薬用】全草を使用.開花時(春〜秋)採取.鎮咳,去痰に用いる 。
成分はフィトステロール,ルテオリンモノグリコシドなど.
 別 名:ホウコグサ,オギョウ,ゴギョウ . 
 佐賀の方言:オバコグサ,コージブツ,モチブツ


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