薬草百選リスト | |
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(91) ウ ド(ウコギ 科) 山菜の王と称される |
日本、中国、朝鮮、サハリンに分布。 県内では、山野に普通に見られる多年草。 古名をツチタラといい、若芽がタラノキに似て 土から出たばかりの芽を食べる意味である。 ウドはタラノキと共に山菜の王様といわれる。 ウドの名前は、宇登呂(ウトロ)の意味で、 茎は中空であることに由来する。 薬用には、根を秋に採取し乾燥したものを 和独活(ワドッカツ)といい、頭痛、めまいに用いる。 |
(92) ヨモギ(キク科) フツの名で親しまれ、路傍で最もよく見られる薬草 草餅、モグサの原料として知られる |
佐賀の植物同好会の路傍の植物調査によれば、 路傍の草地で薬草の出現率が最も高いのは ヨモギの71% 次いでオオバコ41%、チガヤ35%で、 ヨモギはよく見られる薬草の代表である。 ヨモギの名はよく燃える草の意味の 善燃草(ヨモギ)に由来。 草餅に若芽を使われるが、平安時代頃までは、 ハハコグサが用いられていたが、桃の節句に母 子を臼でつくのを嫌いヨモギを用いたという話も ある。また、ハハコグサよりヨモギの方が美味 しいのでヨモギの餅に変わったとも言われる。 薬用は、葉を5月に採取して、止血、消炎、収 れんに用いる。また、乾燥葉をつき砕き、毛を 集めてモグサをつくる。 また、民間では、生葉の汁を傷口につけて止血 に用い、乾燥葉は浴用剤として用いられる。 佐賀の方言:フツ、クツ、ブツ、モチグサ |
(93) コオホネ(スイレン科) 一風変わった名と二型の葉を持つ |
日本、朝鮮半島の日当たりのよい川、池沼に分布 する多年草。かっては、佐賀平野のクリーク、川 に多かったが、著しく減少している。 コオホネは河骨の意味で、河に生え、根茎が 白骨のように見えることに由来する。 葉は水面より出たものは厚く、水中のものは薄 く半透明。水中のものは、葉肉成長素プリンが 洗い流されからと考えられている。 薬用には、根茎を秋に採取して、強壮、止血、 婦人薬に用いる。また、発汗、健胃薬として、風邪、 胃腸疾患に用いる。 |
(94) カラスビシャク (サトイモ科) ヘソクリの名とつわり止めで知られる |
変わった花をつける根絶困難な畑の雑草。 カラスビシャクの名は、花の形を杓子に 見立てたもの。生薬名を半夏という。 これは、夏至から11日目を半夏と言い、 この頃がこの薬草の収穫期であること による。 方言にヘソクリの名がある。根(球茎)の凹が へそに見えるという説と根を薬屋へ売って へそくりを稼いだからという説がある。 根は深くにあり、途中で切れて取りにくく、 また、球芽(ムカゴ)があり、これが落ちると 芽を出し、根絶に苦労する雑草である。 薬用には、球茎を初夏の半夏頃採集して、嘔吐鎮め、 鎮咳、去痰に用いられるが、つわりの吐き気止め 薬として知られる。えぐ味が強いがショウガを 配合すると改善される。 佐賀の方言:クリコ、クリコナ、クリコグサ |
(95) アオツヅラフジ(ツヅラフジ科) つづらを織る材料として知られる |
日本、中国、朝鮮半島に分布。県内では 山野に普通に見られるつる性植物。 草のようにも見えるが、木の部類に属する。 名前は緑を帯びたつるであること、及びこの 植物のつるで編んだ籠(かご)を 「つづら」ということに由来する。 薬用には、秋に根や茎(つる)を採集して、 輪切りにして乾燥したものを木防己(もくぼうい) と呼び、鎮痛、利尿、消炎に用いる。 漢方では、木防己湯などに配合される。 佐賀の方言:アオカズラ、インフジカズラ、ツヅラカズラ |