薬草百選一覧
 41.サフラン
 42.サザンカ
 43.シマカンギク
 44.ノイバラ
 45.ネズミモチ
 46.ツワブキ
 47.オリーブ
 48.チャ


薬 草 百 選6 (晩秋篇)
(41)
サフラン(アヤメ 科)
佐賀県は、かってサフランの一大産地
薬草・薬木では一番値段が高い


古代エジプトの歴史を記したパピルスにサフランの薬用効果が
紹介されているほど古くから知られていた。原産は南ヨーロッパ。

明治の終わり頃から30年間は、佐賀県では栽培が盛んに行われ、
特に、大正から昭和15年には、県下のほぼ全域で栽培されていた。
当時の佐賀県産サフランは薬用部の「めしべ」が大きく、かつ、
品質が良いことで知られた


サフランの名はアラビア語のザファランから出たといわれる。
黄色の意味で名付けられたとされる。

薬用はめしべを開花時に採集し、乾燥したものを鎮静、鎮痛、月経不順など
主に婦人薬に使われる。

薬草・薬木では一番値段が高く1g約600円(卸相場)でオタネニンジンの4倍.

薬用のほか食品、化粧品の色にも使われる。


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(42)
サザンカ(ツバキ科)
江戸時代から品種改良さかん
見所:東脊振村坂本 千石山サザンカ林(天然記念物)


東脊振村千石山のサザンカ群落は昭和32年,自生北限地として国の天然記念物
指定されている。10月下旬から12月上旬には、開花で山を純白に飾る

サザンカ名の由来は、明かでないが、山茶花から変わったという説がある。

日本と中国ではの呼び名が違う。
サザンカは、中国では、茶梅。日本では山茶花。
ツ バ キ は、中国では山茶花。 日本では椿。 

薬用:種子をしぼって取った油をサザンカ油いい、医薬品の軟膏の原料に使う。

佐賀の方言:ヒメカタイシ、ヒメカチャーシ



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(43)
シマカンギク( キ ク 科)
里山の晩秋を飾る花。栽培菊の原種
見所:山麓の陽地や海岸近く


近畿から台湾、中国南部に分布する暖地性植物。
佐賀県では、700m以下の日当たりの良い原野、海岸に、
見られ、晩秋から初冬に黄色の花をつけて目立つ。

名前は、寒期に花をつけ、東大小石川植物園に、中国の島に分布していた
ものいって植えられていたことに由来る。

栽培菊はシマカンギクとチョウセンノギクの交配から改良されたする説
があり、栽培菊の片親と見なされる。

薬用:花を乾燥して、炎症を抑えたり、頭痛等の痛み止めに漢方で使われる。

佐賀の方言:ヤボギク、ノギク



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(44)
ノイバラ(バラ科)
栽培バラの台木で活躍


日本、朝鮮半島の原野に普通に見られる。

名前は野に生えるバラという意味。イバラは刺のある低木の総称。

栽培バラの台木として使われ、また、交配改良に一役かっている。
晩秋から初冬に赤い実をつけた枝は、生け花にも使われる。

薬用果実を採集、乾燥して、下剤、利尿薬として使われる。

佐賀の方言:イゲノキ、ゲズ、ノイゲ、ノバラ


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(45)
ネズミモチ(モクセイ科)
実はネズミの糞
庭園・公園に多いのはトウネズミモチ
 

関東以西に普通に見られる低木。
植栽は土地を選ばず育ち、日陰にも、病害虫にもまた、刈り込み
にも強いため生け垣、庭園木として広く使われる。

名前は実の色、形がネズミの糞に似ていることに由来する。

実は炒ってコーヒー代用にする。

薬用は実を11-12月に採取して、強壮薬として使い、
葉は民間薬では胃腸薬として用いる。

佐賀の方言:タニワタシ、タネワタシ、ネズミノクソ、ピーピーグサ。


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(46)
ツワブキ( キ ク 科)
斑入りは観賞用−晩秋の庭園を飾る


福島県以南の暖地、特に、海岸に多く、晩秋の山麓を黄花が飾る。

名前は、フキに似ていて、葉に光沢があることから、艶ブキのなまったもの。

葉の柄は、春、食用として八百屋の店先に並ぶ。
葉は斑入りなど多数の園芸品種があり、庭園草や盆栽にされる。

薬用は根茎を秋に採取して、解毒、排膿、打撲、下痢に使う。
生の葉の搾り汁は民間では魚肉中毒に飲む。
また、火にあぶってどろどろにした葉ははれものや湿疹に用いる。
葉に含まれるヘキセナールには強い抗菌作用がある。


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(47)
オリーブ
(モクセイ科)
オリーブ油で知られる
 
(11月佐賀市久保泉町)
晩秋に白い花をつけるが意外に知られていない。
アフリカ原産。紀元前3000には、既にシリアで栽培されていた。
日本には140年前に渡来し、瀬戸内海などの果実採取用栽培を除いては、
花などの観賞用に栽培される。
この木は、平和のシンボルとしてオリンピックの賞に使われる。

名前はオランダ語のOliffに由来する。

薬用は果実を初秋に採取して、穏やかな下剤として用いられる。
欧米では未熟果実を塩漬けにし、滋養に富む食欲増進食品をして賞味される。


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(48)
チャ (ツバキ
科)

日本最初の栽培成功地は東背振村
見所:嬉野町不動山の大茶樹


中国西南部の原産ではないかといわれる。日本一の大茶樹
鹿児島県牧園町の大茶樹高さ4.5m、次いで嬉野町不動山の大茶樹4m
世界一は日本一よりはるかに大きく、中国四川省の大茶樹33.5m

日本最初の茶樹栽培成功は、1191年栄西禅師が中国からの帰途、
背振千防があった東脊振村坂本の岩上坊付近での栽培といわれる。

薬用は一般には、葉を春〜夏に採取して、カフェイン原料に使う。
カフェインは興奮剤、鎮痛剤として用いられる。

近年では、葉に含まれるポリフェノールが活性酸素消去など
抗酸化剤として脚光を浴びている。


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