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くすり百話 (第18回)H 13.1.17
第27話 四大配置家庭薬の起こり (1)佐賀のクスリ
第27話 
佐賀のクスリの起こり<肥前売薬>
地場産業として古い歴史を持つ
三地区から起こる      
  佐賀県の製薬・売薬は米、陶磁器と共に「地場産業」として長い歴史を持つ。
藩政時代からの売薬では、富山、奈良、滋賀と共に
日本の四大配置家庭薬県として知られている。
 特色:
 ・250年以上の歴史を持つ
 ・四大配置家庭薬生産販売県の一つ
 ・貼り薬生産県として知られる
 ・目薬は近畿以西では唯一の生産県
 ・生産品目数: 約500品目
 ・薬の種類(薬効の種類): 約50種
 ・生産金額(年): 620億円
----------< 三地区から異なる起源で始まる>---------
@鳥栖・基山の製薬:対馬領田代売薬。大陸影響のくすり
この地区は江戸時代、対馬藩領であった。
対馬藩は韓国釜山に大陸貿易事務所・倭館を設けていた。
その関係で、朝鮮半島の薬に関する情報、技術が伝わった。


製薬の始まりは、明らかでないが、宝暦3年(1753)以前である。
今日も製薬の中心地をなしている。
A佐賀地区の製薬:藩許のくすり
天明4年の飢饉の折り、藩主鍋島治茂は他国者5人に薬を作らせ
施薬したが、一人が隠密と疑われ、他国者の製薬、売薬を禁じた。

その後、藩医の嘆願により、寛政8年(1796),丸散座頭のみに強壮薬
「烏犀圓」に製造、販売の特権を与えた。
これが今に続く野中烏犀圓。
B鹿島地区:オランダの膏薬
文政にはじめ(1820年頃)、鹿島市の松尾判助が膏薬の秘方を長崎
在留のオランダ人から受け「唐人膏」と名付け製造販売した。


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