『女性薬剤師会の存在意義』はいったい何なのでしょうか?男女雇用機会均等法が施行されて久しく、 男女同権という意識も浸透した今  私たちはもう一度原点に立ち戻って基本理念を確認したいと思います。

 現在 医療界・薬業界を取り巻く情勢は年々厳しさを増しつつあります。
また 少子化社会における女性の家庭での役割は 介護を含め最近一段と大きくなってきました。そんな中で薬剤師という職責を果たし 本当の意味での男女同権や女性参画社会が実現されるために 女性薬剤師に 求められるものは増大し 精神的にも肉体的にも負担が重くなっています。それは平成10年、佐賀県下の就業・未就業女性薬剤師を対象に 県女性薬剤師会とアバンセが共同で行った実態調査によって 明確になっています。そこには 薬剤師という職業が 高度な専門知識を必要とすることから生じる問題が表れています。

 まず調査結果では医薬分業の進む中 調剤という甘えの許されない職場において 学術研修や仕事・家庭の両立に葛藤する女性管理薬剤師、ひとり薬剤師の存在が浮かびます。また他の業種に比較して 出産育児による離職後、復帰のハードルが高く 未就業期間が長い場合には就職の希望があっても 踏み出せない方がいることも わかります。

 次には、女性薬剤師は男性に比べて 非常勤の比率が高いことがあげられます。現在 薬剤師に占める女性の割合は6割を超え 調剤などの現場を支えている薬剤師の多くは女性であるにもかかわらず 現実は 非常勤も多く必ずしも望ましい状態ではありません。それは 非常勤薬剤師で 薬剤師会に加入している方が 少ないことからも明らかです。これは今後 調剤過誤の問題とも関連して 薬剤師賠償保険等、深刻な問題です。

 そこで女性薬剤師会が このような未加入女性薬剤師を組織として保護し 未就業者には研修の場を提供して  薬剤師会全体の人的パワーとして活躍・サポートしてもらうように出来れば 第一線で働く常勤女性薬剤師の 負担軽減がはかれます。 このように常勤・非常勤、就業・未就業、を問わず女性薬剤師が 互いに協力し 情報を共有することによっていろんな可能性が出てきます。もっともっと輝きながら さらに大きく 社会に貢献してゆく事も出来ることでしょう。

 私たちは その夢の実現のために 佐賀県女性薬剤師会の活動を立ち上げました。女性の声を薬剤師会や社会全体に反映させ  理想に向かって一緒に歩んで行くために このホームページに参加して十分に活用されることを祈念致します。 
平成14年4月記